入浴後すぐに寝てはいけない
(内田脳神経外科理事長 内田泰史)
温泉の温熱効果を最大限に活かすためには、気をつけなければならないことがあります。
1つは、風呂から上がったあと、さっと体を拭いて脱衣場を出ないことです。
これをすると、部屋に戻ってから汗が噴き出して、かえって体が冷えてしまいます。
急ぐことなくゆっくり時間をかけて汗を出し切るようにすることです。
バスタオルを巻いたまま、10~15分も休んでいると汗がほぼ出尽くします。
その後、全身を拭いて浴衣を着ます。
こうすると、あとから汗をかいて浴衣が湿ることもありませんし、体も冷えません。
飲み物については、入浴前にも冷たくない常温のものをたっぷりのむことをお勧めします。
2つ目は、風呂からの上がり方です。
風呂からの「上がり方」も大切です。
「風呂から上がってすぐ寝ない」ことです。
風呂から上がって汗を出したあと、体の毛穴は開いた状態です。
そこに冷たい空気が入り込みます。
体が温まっているので、毛布をかけずに寝てしまうこともあるでしょう。
そうすると、せっかく温まった体が冷えてしまい、体調を崩すこともあします。
湯治は、お湯から出たあとも含めて湯治ということです。
湯治の本質を守れば、2~3泊程度の短い滞在でも、免疫力を確実に高め、心身をリフレッシュしてくれるでしょう。
最近、2~3泊の”プチ湯治”が広がりつつあります。
これは、病気を治すというよりは、免疫力を高めて病気にかかりにくい心身をつくるうえで最適です。
時間に余裕のある方は、このプチ湯治を年に2~4回実行に移せれば、元気で豊かな人生を送ることができるでしょう。
本格的に1週間以上の湯治ができる心の余裕のある人は、さらによいと言えるでしょう。